多くの企業が選考に導入している「グループディスカッション」、みなさん対策は万全ですか?
当日は初対面の就活生同士、協力して討論に臨まなければならないため、不安に感じている方も多いでしょう。
事前にいかに対策を積めたか、出題テーマについての知見があるかどうかが、大きく合否を左右します。
そこで今回は、グループディスカッションを5つのタイプに分けて、頻出テーマ40選をご紹介します!
ぜひ、本記事の内容を参考に、事前に情報収集をしておきましょう。
就活のグループディスカッションとは?
ビジネスシーンにおける、戦略会議や企画会議などを想定しています。
グループディスカッションでは、議論の過程や内容、立ち回りなどが評価の対象です。
個人面接では見られない協調性やリーダーシップ、タイムコントロール能力など、幅広く学生の個性や人間性を短時間で知れるため、近年採用ステップに導入している企業も増えています。
出題テーマのジャンルはさまざまですが、時事問題や業界・企業に関することなども出題されることが多く、決して対策できないものではありません。
今回は、実際に過去に出題されたお題と合わせて、グループディスカッションの形式を5つに分けてご紹介していきます。
グループディスカッションの5つのタイプと対策
グループディスカッションは、大きく5つのタイプに分けられます。
②課題解決タイプ:提示された課題についての解決策を討論する
③解決策選択タイプ:提示された複数の選択肢から1つを選ぶために討論する
④ディベートタイプ:賛否が分かれるテーマについて、賛成派・反対派の2つのグループに分かれて討論する
⑤資料読み取りタイプ:与えられた資料から根拠を集め、解決策を議論する
採用担当者がチェックしているポイントもそれぞれ異なりますので、志望企業が過去にどんな形式でグループディスカッションを開催しているのか、調べておきましょう。
事前に出題形式や、よく出題されるテーマを把握しておくことで、通過率が大きく変わります。
タイプによって、討論の進め方や、立ち回り方も異なりますので、それぞれのタイプに応じて対策を講じておきましょう。
では、それぞれのタイプの討論の進め方や、対策方法をご紹介します。
1.自由討論タイプ
1つ目は、自由討論タイプです。
基本的には、抽象的なテーマが出題され、学生同士で自由に意見を出し合って議論する形式です。
答えが存在しないテーマとなるため、活発に意見を出し合い、結論に向けて議論を前進させる必要があります。
議論の落としどころが難しいため、それぞれの意見が下飛び交って散漫な内容にならないよう、意識すべきことがいくつかあります。
下記は、自由討論タイプのグループディスカッションで採用担当者がチェックするポイントです。
こちらを参考に、自分が得意な役割や、当日の立ち回りを対策しておきましょう。
- テーマの定義づけを行い、議論に入ることができたか
- 積極的に意見を発言できているか
- 協調性を持ってグループメンバーの発言を促せているか
- 結論まで導くファシリテーション能力があるか
- 根拠を持って発言できているか
- 企業が求める人物像や価値観を理解できているか
- 制限時間内に結論に到達できたか
②課題解決タイプ
課題解決タイプは、提示されたテーマや問題について、解決策をグループで導き出す形式です。
課題を解決する方法はひとつとは限りません。
また、ひとりひとりの経験に基づいた解決策の提案はもちろん、企業側が想定していないアイデアを提案する創造力や、臨機応変に対応できる思考力などが求められます。
参考資料が配布される場合もありますので、スピーディに目を通して状況を理解する必要があります。
採用担当者は下記のようなポイントをチェックしていますので、対策に役立ててください。
- テーマを定義できているか
- 問題となっているテーマの現状を理解できているか
- 課題を解決して実現できることは何か、グループで共有できているか
- 積極的にアイデアを提案できているか
- オリジナリティのあるアイデアを提案できているか
- 制限時間内に課題の解決策をまとめられたか
③選択タイプ
選択タイプは、テーマが「AまたはBどちらを選択する?」という形式になっています。
提示された複数の選択肢の中から、どれを選ぶかをグループで討論して決定します。
採用担当者は、学生が討論の中で何を評価して選択して、何を候補から外したのかといった議論の流れを見ています。
必ずチェックされる下記のようなポイントを覚えておきましょう。
なお、選択タイプのグループディスカッションで注意すべき点が1つあります。
絶対に、多数決はやめましょう。
議論に行き詰まった時に、誰かが多数決を提案することがありますが、多数決は排他的な面も持つ危険な手段です。
グループメンバーの全員が納得しやすくなる、一定の基準を設けておきましょう。
- テーマの定義づけができているか
- どんな価値観を持って行動しているのか
- 他社の意見に対して受容力があるか
- 論理的な根拠を持って判断できているか
- 役割分担ができているか
- それぞれの選択肢のメリット・デメリットを洗い出せているか
- 何を選択するのか、理由と合わせて結論を出せたか
④ディベートタイプ
ディベートタイプは反対と賛成の2つのグループに分かれて討論する形式です。
賛成派、反対派のどちらに所属するのか、自分で選択できることもありますし、グループディスカッションの開始前に指定される場合もあります。
ディベートタイプの場合、明確な意思と根拠を持ち、積極的に意見を発言する人の発言量が多い傾向にあります。
そのため、必ず全員に発言の機会が与えられるとは限りませんので、自分の意見を用意し、しっかり反論や追加意見を言えるようにしておきましょう。
ディベートタイプの場合、下記がポイントになりますので、対策を考えておきましょう。
- 相手の主張に対して、論理的に反対意見を述べられているか
- 相手を否定するのではなく、納得させようとしているか
- 相手の意見に対し、傾聴する姿勢を見せられているか
- 同調する際に、自分の意見や新たな根拠を加えられているか
- 同じ派閥のメンバーの意見を裏付けたり、協調性を見せられているか
⑤資料読み取りタイプ
資料読み取りタイプは、資料に記載されている内容を根拠に、与えられた課題の解決策を議論する形式です。
自由討論タイプなどとは異なり、資料内に根拠となる数値や文章があり、そこから類推される事実が意見に反映されます。
そのため、文章や数値、図、グラフなどを正確に読み取り、理解する能力が必要です。
グループディスカッションを開始する前に、資料を読み込み意見やデータをまとめるための個人ワークの時間が与えられることもあります。
資料読み取りタイプのグループディスカッションに出会った際には、下記のようなポイントを思い出しましょう。
- 出題テーマの定義づけができているか
- 配布資料から、課題となっているテーマの現状を把握できているか
- 資料のデータをもとに論理的に思考できているか
- 資料のデータをもとに、仮説を立てて議論できているか
- 解決策となるアイデアを資料内の情報を根拠に提案できている
- 説得力のある結論を導き出すことができたか
グループディスカッションでよくあるテーマ
グループディスカッションでは、必ず何らかのテーマが企業側から出題されます。
学生は、そのテーマについてディスカッションを行い、制限時間内に結論を出す必要がありますので、事前にどんなテーマが出やすいのか?ということを知っておくことで、自分の意見や根拠を用意できます。
今回は、ジャンル別にいくつかのテーマをご紹介します。
ぜひ、事前準備の参考にしてください。
時事問題に関するもの
- 少子高齢化と解決方法について
- その年に起こったニュースに関するもの
- 地域活性化問題について
- 法律の改正について
- 経済を止めないコロナ対策を考える
- 五輪を成功させるには何が必要か
受ける業界によって、問題視されている時事問題について出題されることが多いです。
こちらは、課題解決タイプ、自由討論タイプなどで頻出のテーマです。
日頃から、最新のニュースや志望業界の動向はチェックしておくようにしましょう。
企業や業界に関するもの
- 自社がメインに取り扱っている技術の将来性について
- 業界の今後の見通しについて
- 自社製品の認知度を上げるための施策
- 企業の残業時間を減らすための対策
- コンビニの売上を上げるための施策
- 〇〇不動産がデベロッパーNo.1になるには
- 新たな新卒採用の方法を提案しなさい
- 2030年に向けて〇〇株式会社が取り組むべき新規事業の立案
受ける業界・企業が直面している問題や、話題になっている技術などについては、頻出のテーマです。
課題解決タイプ、自由討論タイプ、資料読み取りタイプでも出題されることがあるでしょう。
当日を迎える前に、志望企業の名前で直近のニュースを検索したり、ホームページのニュース欄などをチェックしておきましょう。
一般的なテーマ
- 幸せとはなにか?
- 無人島にもっていくなら何か
- 〇〇〇に新しくアトラクションを追加するなら何か
- リーダーに必要な素質とは?
- 働くことの意味
- 日本が海外に誇れる強みを3つ
グループディスカッションで与えられる課題には、基本的に明確な正解や解決策などはありません。
しかし、企業が求めている回答や、事前にどのくらい業界・企業分析をしているか、試されるテーマも用意されています。
それに対し、自由討論タイプなどで出題されることが多い一般的なテーマとは、友人と雑談で話すような内容が出題されます。
正解がないため、グループの結論を絞り切れず、時間内に議論を完了できないことがありますので、時間管理に注意しましょう。
選択式のテーマ
- 朝食べるなら、ごはんかパンか
- 子供にスマートフォンを持たせるべきか
- 安楽死制度に賛成か反対か
- 効果的な広告はTVCMとYoutubw広告、どっち?
- 本は電子書籍と紙媒体、どちらが良いか
- 24時間営業の業務形態に賛成か反対か
業界や企業には関連しないものや、雑談に近いテーマが出題されます。
AとBどちらか?という選択肢があるテーマのため、グループでひとつのテーマを選択して、その根拠を発表する形式です。
こちらは、選択タイプやディベートタイプでよく出題されるテーマです。
資料を読み取るテーマ
- ある街に建てるべき施設はA、B、Cのうちどれが最適か
- ある企業の売り上げ目標を1年以内に達成するための最適な施策
- ある商品の売り上げが低下しているが、会社としては製造を停止すべきか
- 資料に記載されている人材のうち、〇〇業界最大手のA社に採用すべき3人は誰か
資料を読み取るタイプの場合、事実が記載されている資料が事前に配布され、それにもとづいて議論が展開されます。
テーマを自分たちで定義づけて資料から正確にデータを読み取り、結論を導き出しましょう。
まとめ
今回は、グループディスカッションのタイプ別の出題形式とそれぞれの対策、よく出るテーマをご紹介しました。
形式はさまざまですが、常にアンテナを張って時事問題の情報を収集したり、根拠を持って発言することを意識するだけでも、グループディスカッションで発言するネタが増えますし、説得力のあるコメントを残せるでしょう。
タイプや頻出のテーマをおさえ、しっかり対策してから選考に臨んでください。