就職活動において、多くの場面で応募企業とのメールやメッセージのやり取りが発生します。
履歴書の送付や、面接の日程調整、選考結果に対する返信、内定の承諾・保留の連絡など、さまざまなシーンでメールのマナーを不安に感じる就活生が多いのではないでしょうか。
今回は、就活におけるメール連絡時におぼえておくべき基本マナーや注意点、日程調整をメールでおこなう際のパターン別の例文を紹介いたします。
メールor電話、どっちが正解?
面接の日程調整やキャンセルなどを行う際に、連絡方法に迷ったことはありませんか?
ビジネスシーンでは、緊急の用件でない場合には、メール連絡が一般的な方法です。
当日の予定のキャンセルや、面接に遅刻してしまいそうな時など、直前の連絡の場合は電話を使用しましょう。
日程に余裕がある面接の時間調整などは、メールの場合候補日時を一覧で記載することができますし、先方の都合が良いタイミングで返信してもらうことができます。
緊張して誤った言葉遣いをしてしまったり、会議中に電話をかけてしまうようなリスクも回避できますので、まずはメールでの連絡に慣れましょう。
メールの基本マナー-就活編-
メールでの連絡のやりとりは、就活のみならず、ビジネスシーンでも最も一般的な連絡方法です。
就活の場合、採用担当者は多くのメールを読み、返信作業を行っていることがあるため、読みにくいメールやマナーの守られていないメールを送ってしまうと、迷惑が掛かります。
逆に、しっかりマナーが守られているスムーズなメールのやりとりは、好印象を残すきっかけにもなります。
下記で紹介している5つの基本マナーは必ずおさえておきましょう。
1.メールはできるだけ早く返信しましょう
企業とのやりとりのメールには、できるだけ早く返信する意識を持ちましょう。
一般的なビジネスメールは、24時間以内に返信するのがマナーとなっています。
24時間とはいっても、明日までに返信すればいい、ということではなく、極力開封したらすぐに返信することを心がけてください。
採用担当者は多くの就活生のメール対応を行っており、面接日程の調整なども業務時間中におこなっていますので、すぐに返信がこればスケジュールの調整をスムーズに行うことができます。
もしも外出先や、他社とのブッキングなどで日程調整が必要ですぐに返信できない時には、簡単なものでいいので、必ず一次返信をしましょう。
「ご連絡いただきありがとうございます。~のため、〇月〇日までに返信いたします」
といった、取り急ぎの返信で構いません。
2.メールの送信時間は就業時間内に
先ほど、メールの返信は極力早めに、とお伝えしましたが、送信する時間帯にも注意が必要です。
事前に営業時間などが調べられるのであれば、その時間内に送るのがベストです。
学生の場合、企業の営業時間として多い9:00~18:00の時間帯は授業や研究室などがあり対応が難しい、という方がいるかもしれません。
しかし、深夜帯や早朝などに返信をすると、マナーを好ましく思わない担当者がいたり、生活習慣を疑われる可能性もあります。
日中に返信が難しい場合は、夜や朝にメールの文面を作成しておき、自動送信予約機能などを活用しましょう。
3.件名は「用件・名前・Re残し」
採用担当者が受信ボックスを開いて、最初に目に入るのが件名一覧です。
返信の場合、件名に「Re:」という文字があれば返信であることがわかりやすいですし、「用件・名前」があれば、連絡の目的が一目で伝わり、やりとりがスムーズになるでしょう。
自分から企業宛に新しくメールを作成する際にも、件名には簡潔な用件と名前を記載しましょう。
また、件名から過去の送受信の履歴を検索する際にも役立つため、メールごとに件名を修正する必要はありません。
送受信の回数が増えると、「Re:Re:Re:○○」という形で「Re:」が複数個並ぶことがありますが、毎回削除する必要はありません。
件名が見えなくなってしまうほどメールの送受信が続いた際には、1個を残して削除しても良いでしょう。
4.本文は「宛名・あいさつ・内容・締め・署名」
ビジネスメールを作成する際の基本的な構成は、「宛先・あいさつ・内容・締め・署名」です。
宛先は、企業担当者が省略していたとしても、「株式会社」などの法人格は省略せず正式名称を記載しましょう。
そのあとに、部署名・担当者の名前を続けて記載し、担当者名が不明確な場合は「ご担当者様」とします。
書き出しのあいさつは、「いつも大変お世話になっております」などが一般的です。
初めてメールを送る際には、「お世話になります」としてください。
次に、自分の名前を名乗ります。
就活生の場合、「貴社に応募しております、〇〇大学〇〇と申します」「〇月〇日に一次面接のご連絡をいただきました、〇〇です」といった、個人が特定できる情報を添えて名前を記載しましょう。
次に続くメールの本題の内容は、簡潔にわかりやすく記載しましょう。
具体的な文例を、この後のパターン別の例文でご紹介します。
締めのあいさつは、相手が忙しい中で連絡をくれたこと、メールを読んでくれたことに対しての感謝を述べると丁寧な印象を受けます。
メールの最後には、署名と連絡先を入れましょう。
こちらも、後ほどご紹介する例文をご参考にしてください。
5.引用返信をする
メールに返信をする際は、前のやりとりを引用して返信しましょう。
特に就活の場合、採用担当者は多くの学生とメールのやり取りをしている可能性があるため、前にどのような内容のやりとりをしていたのかがわかりやすくなります。
パターン別 メール文例紹介
それでは、いくつかのパターンに分けて、返信文例をご紹介します。
実際にメールを作成する際に、参考にしてください。
1.複数の面接日程の候補日に対して返信
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
書類選考通過と面接のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ぜひ、次の面接に参加させていただきたく思います。
ご提示いただいた下記日時に、お伺いいたします。
日時:4月1日(月) 11:00~
場所:■■ビル 4階
お忙しい中恐れ入りますが、当日はどうぞよろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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2.面接希望日時を提示する
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
書類選考通過と面接のご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
ぜひ、次の面接に参加させていただきたく思います。
面接希望日時は下記になります。
・4月10日(火) 11:00以降
・4月11日(水) 13:00~17:00
・4月12日(木) 終日
・4月13日(金) 10:00~17:00
ご都合が合わない場合、再度日程を提示いたします。
お申し付けください。
お忙しい中と存じますが、何卒よろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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3.定した日程の変更希望
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
4月10日(火) 11:00から面接のお時間をいただいております、
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
こちらの都合で大変恐縮ですが、諸事情により
上記の日程にお伺いすることが難しくなりました。
可能であれば、下記の日程で再調整いただくことは可能でしょうか。
・4月10日(火) 11:00以降
・4月11日(水) 13:00~17:00
・4月12日(木) 終日
・4月13日(金) 10:00~17:00
ご多忙のところ、お手数をお掛けしてしまい大変申し訳ございません。
何卒、よろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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4.面接当日の遅刻
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
本日、13:00から面接のお時間をいただいております、
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
電車内のため、メールにて失礼いたします。
現在、〇〇駅付近で電車が人身事故のため停止しており、
発車まで30分程度かかるとのアナウンスがありました。
そのため、予定しておりました面接開始時間に間に合うことが難しく、
大変恐れ入りますがお時間の後ろ倒し、または日程の変更を
いただくことは可能でしょうか。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。
また、メールでのご連絡となってしまいましたことにつきましても
お詫び申し上げます。
お手数ですがご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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5.面接当日のキャンセル
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
本日、13:00から面接のお時間をいただいております、
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
この度、諸事情により面接に伺うことが難しい状況です。
貴重なお時間を割いていただいたにも関わらず、大変申し訳ございません。
また、メールでのご連絡となってしまいましたことにつきましても
お詫び申し上げます。
つきましては、下記の候補日時にご変更いただくことは可能でしょうか。
・4月10日(火) 11:00以降
・4月11日(水) 13:00~17:00
・4月12日(木) 終日
・4月13日(金) 10:00~17:00
先日、貴社の会社説明会に参加させていただき、貴社のビジネスモデルに
大変興味を持ちました。
是非、改めて機会をいただけますと幸いです。
お忙しいところ、大変お手数をおかけいたしますが、
ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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6.面接後のお礼
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
本日、13:00から面接をしていただきました、
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
本日はお忙しい中、面接の機会をいただきまして
誠にありがとうございました。
△△様のお話を伺い、貴社の社風やサービスについてより理解が深まり、
活躍していらっしゃる先輩方のエピソードを受けて、
貴社で働きたいという気持ちが一層強くなりました。
取り急ぎ面接のお礼を申し上げたく、メールいたしました。
末筆ながら、面接のお礼を申し上げますとともに、
貴社のますますのご発展と社員皆様のご多幸をお祈り申し上げます。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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7.内定承諾
○○株式会社人事部
採用担当 〇〇様
お世話になっております。
●●大学●●学部 アスレバ 太郎 と申します。
この度は、内定のご連絡をいただき誠にありがとうございます。
心より感謝を申し上げ、謹んでお受けいたします。
貴社で働けることを、心より楽しみにしております。
また、1日も早く貴社の戦力となれるよう、邁進して参ります。
引き続き、ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。
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アスレバ 太郎(Taro Asuleba)
●●大学●●学部
メール:asuleba.tarou@aaaaa.com
携帯電話 :090-0000-0000
住所:〒000-0000 東京都◇◇区◇◇町0-0-0
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メール作成時の注意ポイント
基本的なマナーとパターン別の例文をご紹介しました。
次に、メール作成時の注意点について、3つのポイントに分けてご紹介します。
メール作成後のチェック用にご活用ください。
1.誤った言葉遣いに注意
就活中では、メールや面接、面談時に正しい言葉遣いが求められます。
誤った敬語を使用してしまうと、採用担当者に失礼にあたりますし、マナーが身についていないと悪い印象を与える可能性があります。
下記のようなビジネスシーンでよく使われる敬語のフレーズについては、しっかり押さえておきましょう。
- 行きます→伺います
- 見ました→拝見しました
- 了解しました→承知しました
- ~できません→~いたしかねます
その他にも、応募先企業について、OB・OG訪問や面接時に話す際には「御社」と表現しますが、メールに記載する際には「貴社」と記載しましょう。
また、直接的な言葉遣いよりも「差し支えなければ~」「恐れ入りますが~」「お手数をおかけしますが~」などのクッション言葉を使用するのも、丁寧な印象を与えられるのでお薦めです。
2.一目で読みやすい構成を意識する
最近では、スマホアプリなどを利用して就活をする機会も増えていると思います。
メールについては、毎回外でPCを広げるのは大変ですし、スマホから返信することもあるでしょう。
スマホでメールを返信する際に注意すべきポイントは、改行や段落分けです。
ビジネスシーンでは、一般的にPCでメールを確認することが多いため、PCでも読みやすいメールを意識しましょう。
スマホの画面上で見やすい箇所で改行するのではなく、基本的に1文が終わる箇所で改行をしましょう。
また、あいさつ・内容・締めの言葉など、意味の切れ目で1行分の空白行をあけると、より読みやすいメール文面になります。
3.キラキラアドレス
私用で使うメールアドレスであれば問題ありませんが、好きなアーティストの名前や顔文字、☆♪などの記号が入っている「キラキラアドレス」を就活に使用するのは控えましょう。
公私混同をする人、幼稚な人、ビジネスマナーを理解していない人、という印象を与えかねません。
就職活動では、Gmailなどのフリーメールのアドレスを取得したり、大学で指定されているメールアドレスを使用するのがおすすめです。
まとめ
いかがでしたか?
面接日程の調整、キャンセル、内定の承諾など、就活ではメールを作成する機会が非常に多いです。
もちろん、入社後にも取引先の人とメールのやりとりをする機会もあるでしょう。
今から正しいメールのマナーを身につけて、採用担当者に良い印象を与えて内定を獲得しましょう!