就職活動において、誰もが通らなければならないのが「面接」という場面です。
しかし、 就職活動の面接ははじめての経験のため、不安に思ったり「何を質問されるのだろう」「どう答えればいいのだろう」など分からないことがたくさんあるでしょう。
就職活動の面接では、質問の目的や意図を理解して回答できているかどうかが重要なポイントになります。事前準備をしておくことで心の余裕が生まれ、面接官が質問を通して、あなたの何を知りたいかを考えながら答えることができるでしょう。
そこで今回は、 就職活動の面接でよく聞かれる質問リスト30選と、それぞれのポイントについて解説します。自分の良さが伝えられる面接になるように、質問リストの内容をおさえて、しっかりと面接対策を行いましょう。
- 頻繁に聞かれる質問とは?
- 学生の人間性や人柄を問う質問
- 1、自己紹介をしてください
- 2、学生時代に最も打ち込んだこと(ガクチカ)はなんですか?
- 3、あなたの長所、短所はなんだと思いますか?
- 4、自己PRをしてください
- 5、挫折・失敗経験について教えてください
- 6、あなたの趣味はなんですか?
- 7、サークル、部活動の経験を教えてください or アルバイト経験について教えてください
- 8、周りの人からはどんな人と思われていますか?
- 9、好きな言葉、モットーを教えてください
- 10、好きなタイプ、苦手なタイプはどんな人ですか?
- 11、尊敬する人は誰ですか? or 座右の銘はなんですか?
- 12、属しているグループでのあなたの役割を教えてください
- 13、あなたの性格を教えてください
- 学生の業界・企業への思いを問う質問
- 学生の将来性を問う質問
- まとめ
頻繁に聞かれる質問とは?
企業は学生と直接話ができる面接を通して、学生の人間性や将来性、企業への志望度を見ようとしています。なぜならば、企業が学生を採用する際にはそれらの点を重要視しているからです。よって、面接官から頻繁に聞かれる質問も、自然とこれらを問うものが多くなります。
そこで今回は、人間性を問う質問、企業への思いを問う質問、学生の将来性を問う質問の3つのカテゴリーにわけ、そこでよく聞かれる質問を紹介していきます。
学生の人間性や人柄を問う質問
面接でよく聞かれる質問の一つは、学生のキャラクターや人間性を問う質問です。
企業からすると、学生の価値観や人柄と、企業の価値観や社風がマッチしているかどうかはとても重要です。なぜなら、企業の価値観や社風と全く合わないような学生をミスマッチ採用してしまった場合、どちらにもメリットがないからです。
学生側からみると、社風や働き方の合わない企業で働き続けるのは辛いでしょうし、仕事への高いモチベーションを保つことも難しいでしょう。企業側からみると、雰囲気や価値観の合わない学生を採用してしまい、すぐに会社を辞められては困るのです。
そのため、学生の人柄や価値観が社風と合致しているのかを知るために、学生の人間性や人柄を問う質問をするのです。
具体的に人間性を問う質問は、以下のようなことを聞かれることが多いようです。
1、自己紹介をしてください
面接の一番最初に、聞かれることが多い質問です。この質問への回答があなたの第一印象になることを意識しましょう。まずしっかりと挨拶をしてから、自己PRと一緒にならないように「名前、大学・学部名、大学で学んだことや、学業以外の活動について、面接へのお礼の言葉」などを簡潔にまとめて言いましょう。
2、学生時代に最も打ち込んだこと(ガクチカ)はなんですか?
質問を通して、学生の問題解決能力やコミュニケーション能力、主体性などを見ることで、企業は入社後どのように活躍できるのかを判断しようとしています。
そのため、頑張ったことをただ漫然と述べるのではなく、問題が起こったときに自分がどう振舞ったのかや、そこから学んだことなどを伝える意識をしましょう。
ガクチカについては、考え方についての記事をぜひ参考にしてください。
3、あなたの長所、短所はなんだと思いますか?
自己分析がしっかりできているかを確認するための質問です。
長所については、ありきたりな回答をしないことを意識してください。自分の過去のエピソードを踏まえながら、入社後どのように活かしていけるのか、長所を自分なりの言葉で表現しましょう。
短所については、正直に答えることは勇気がいるかもしれません。しかし自分の短所を把握しており、かつ対策ができていることで高評価ポイントに繋がります。ただし短所は「遅刻をよくする」「集団行動が苦手」など社会人としての常識が危ぶまれるようなものはストレートに表現することは避け、「集中しすぎてしまう」「1人で行動できる」などのように、長所の裏返しを答えましょう。もしくは、短所に対してどのように対策をしているのかを述べると良いでしょう。
4、自己PRをしてください
自己PRは、「自分の良さ」を一番アピールできる質問です。ここで重要なのは、企業がどういう人材や能力を求めているのかをしっかりと認識し、そこにマッチするような強みで自己PRを行うことです。強みはブレないように1つに絞るのがポイントです。自分の強みや経験が、その企業でどのように役立つかを上手に伝えましょう。
5、挫折・失敗経験について教えてください
挫折・失敗経験は、ただ自分の欠点を答えるネガティブな質問ではありません。なぜなら、挫折はあなたがチャレンジをした証拠でもあるからです。挫折・失敗経験をどう乗り越えたか、そこから何を学んだのかということも伝えられることで、プラス要素として評価されます。
6、あなたの趣味はなんですか?
趣味は十人十色であるため、趣味それ自体が評価されることはありません。しかし、どんなことに興味を抱き、それに対してどんな影響を受け、取り組んでいるのかを知ることで、その人自身の人間性を見ています。
7、サークル、部活動の経験を教えてください or アルバイト経験について教えてください
サークル・部活動の経験の質問についても、ただ単にサークル・部活の活動内容をつらつらと話すだけでは評価されません。その活動に自分がどう取り組み、そこで何に挑戦して学んだかを話すことが重要です。
・なぜそのアルバイトを選んだのか
・そしてそこで何を学んだのか
説明することが大切です。
8、周りの人からはどんな人と思われていますか?
この質問は、人間関係構築力があるかどうか、他己分析をしているのかを確認するための質問です。周囲の人からどんな評価をされているか、そしてその評価をしっかりと受け止められているかを確認しています。面接の前に、一度は周りの人に自分の人柄について聞いておきましょう。
9、好きな言葉、モットーを教えてください
就活生の価値観を知るために「好きな言葉やモットー」を質問されることも多いです。ただ好きな言葉を答えるのではなく、好きになったキッカケや、影響されたエピソードも付け加えることで、自分の人間性をしっかりアピールできます。
10、好きなタイプ、苦手なタイプはどんな人ですか?
自分の好きなタイプ、苦手なタイプについて答えるだけではなく、どんな価値観があってそう感じるのかを述べましょう。そして、苦手なタイプの人と付き合うために、どのような工夫をしているかも一緒に述べられるようにしておきましょう。
11、尊敬する人は誰ですか? or 座右の銘はなんですか?
「尊敬する人」や、「座右の銘」などの個人の思想に関する質問をする企業は、最近ではほとんどないと思われます。尊敬する人が誰であってもそれは本人の自由であり、面接でこれらについて質問をして採否決定をすることは、就職差別につながるとされているからです。しかし、その質問が禁止されているわけではないので、準備だけはしておくと良いでしょう。
この質問から知りたいのは、なぜ尊敬しているのか、なぜ座右の銘にしようと思ったのかをしっかり言語化できるかということです。さらに、その学生が将来どんなキャリアを理想としているのか未来への志向性を見ている場合もあります。
12、属しているグループでのあなたの役割を教えてください
基本的に、仕事は他者と連携して進めていくことになります。そのため、この質問では集団で仕事を行うときに、あなたがどのような役割が得意で、組織に役立てるのかを面接官がイメージしやすいように答えるといいでしょう。
13、あなたの性格を教えてください
自分の性格について問われたときは、そのまま自分の性格を回答することは避けましょう。
例えば「穏やかな性格です」とだけ回答されても、面接官も「だからなに?」となってしまい、アピールポイントとしては考えにくいです。面接ではあなたが会社とマッチするかという「資質」を見極められているということを意識して、自分の性格を考えるようにしましょう。
学生の業界・企業への思いを問う質問
企業は、自社への志望度が高くない学生を採用することは避けたいと考えています。
なぜならば、企業は一人の学生を採用するために、採用の広告を出したり、説明会やインターンシップでの会場を準備したりなど、相当な手間と費用をかけているからです。そのため、内定を出したら絶対に承諾してくれて、入社後も長く働き続けてくれるような、志望度の高い学生を企業は求めているのです。
業界・企業への思いを問う質問は、学生の熱意や本気度をみるためのものであり、内定を獲得するためにとても大きなウェイトを占めています。
以下のような質問が面接では問われることが多いため、しっかりおさえて入念に対策をしましょう。
14、志望動機を教えてください
面接では必ず聞かれる質問です。志望動機を答える際は、企業や業界を研究した上で、なぜその企業でなければならないかを徹底的に深堀するようにしましょう。面接官は、学生が自社のどこに魅力を感じているのかを確認しています。
15、入社後にやりたいこと(希望職種)はなんですか?
この質問の意図は「学生が入社後、会社で働くイメージができているか」を知ることです。希望する職種とともに、その職種を希望する理由や、その職種で自分の長所をどう活かせるかも述べられると良いでしょう。
16、他社の選考状況を教えてください
他社の選考状況も意外とよく聞かれる質問です。どのような会社を受けているのかを聞くことで、学生がどんな軸や基準で企業を選んでいるのかを知ろうとしています。ここで、何も統一感も感じられない企業を答えてしまうと、手当たり次第という印象でマイナスに取られることもあるので注意しましょう。また、選考でどの段階まで残っているか知ることで、他社での学生の評価を探る目的もあります。
17、この業界を志望する理由を教えてください
業界そのものへの興味や熱意を確かめるための質問です。
「なぜこの業界が良いのか?」
「他の業界では駄目なのか?」
あらかじめ考えて、回答を用意しておきましょう。
18、就活の軸を教えてください
「就活の軸」とは、自分が働く上で絶対に譲りたくないポイントのことです。
「どんな人と、どんな職場環境で働きたいか」
上記2点を言語化したものになります。
自分の過去の経験に基づき、就活の軸を考え、志望の動機とともに伝えることができれば、説得力も高まります。3つほど用意しておくと良いでしょう。
「就活の軸」については、こちらの記事でも考え方やポイントについて紹介しています。
19、第一志望ですか?
この質問は、最終面接になると聞かれることが多くなります。この質問は、内定を出したら入社してくれるかどうかの確認という意味があります。本当は第二志望だったとしても、 就職活動をする上では必要な嘘だと思い「第一志望です!」とはっきり答えておくのが無難です。
20、転勤・勤務地の確認
総合職を志望する女子学生には「転勤があるが大丈夫ですか?」「勤務地は東京で無い場合もありますが大丈夫ですか?」と確認されることがあります。転勤や勤務地については、事前に調べればわかることです。しっかり調べておいた上で志望するのであれば、「大丈夫です」と回答するようにしましょう。
21、弊社の強みと弱みは何だと思いますか?
この質問では、業界研究と企業研究ができているのかを確認しています。この質問に加えて、「弊社の将来性」や「業界の将来性」まで聞かれることもあります。
業界本や企業のホームページを入念にチェックし、志望企業の名前で直近のニュースを検索したりして、きちんと対策しておきましょう。
22、同業他社でなく、弊社を選んだ理由は? 他者と弊社の違いは何だと考えますか?
このような質問は、具体的、かつ簡潔に回答をする必要があります。
「他社ではなく、御社を選んだ理由はxxxです。たとえば、御社は〜に取り組んでおられ〜」など、企業研究で見つけたその企業ならではの強みと、自分の強みや志向性を絡めて答えられるといいでしょう。
23、希望しない部署に配属されたらどうしますか?
総合職の場合は、様々な部署・職種に配属されることが前提であるため、希望職種以外に配属されることもありえます。その際は、「大丈夫です。どこでも頑張ります」と答えるだけでなく、自身の柔軟性や成長意欲も伝えられると良いでしょう。
学生の将来性を問う質問
面接では、「入社したら、会社でどのように活躍してくれるのか?」という可能性を探るために、学生の現段階での能力や将来性を問うこともあります。そのため、日頃からニュースを見たり新聞を読んだりして最新の情報収集を行い、知見を深め、自分なりの考えをまとめておくことが重要になります。
また、時間がとれる場合は、語学やパソコンなどの資格を取得しておくのもいいでしょう。
学生の将来性を問う質問では、以下のような質問をされることが多いようです。
24、資格(語学力など)があれば教えてください
資格を持っている、何点をとった、というだけでなく、その背景を語れるようにしましょう。
・なぜその資格を取ろうと思ったのか
・その過程で苦労したこと
・工夫したこと
・どのように資格を仕事に活かせるか
ということまで答えられるようにしておくといいでしょう。
25、あなたにとって、「働く」とはなんですか?
この質問には、学生の仕事に対する価値観や捉え方、仕事を通してどのように取り組みたいのかを知る意図があります。今後どのような社会人になりたいか、ということを簡潔に答えられるようにしておくといいでしょう。また「学生と社会人の違いは何ですか」と質問されることもあります。
26、X年後、あなたはどうなっていたいですか?
これは、学生が会社に入ってから働き続ける具体的なイメージがあるのかを確かめる質問です。また、学生のキャリアプランを自社で叶えられるのかということも考慮しています。企業のホームページをみたり、OB訪問をしたりなどして、先輩社員がどのように働いていけるのかを知っておく必要があります。
27、将来の夢はなんですか?
と答えられるようにしておきましょう。
このとき、同業他社では叶えられない、その会社ならではのオリジナリティや特色をおさえていると、将来の夢の説得力がさらに増します。
28、最近気になるニュースはなんですか?
学生の興味関心の分野や、情報感度が高いかを知るために「最近気になるニュース」を聞かれることもあります。「最近気になるニュース」に付け加えて、なぜそれが気になるのか自分なりの考えを述べましょう。
29、最近読んだ本について教えてください
この質問では、学生がどんなことに興味があり、どのようなキッカケで本を選び、どれくらいの頻度で本を読んでいるかを知ろうとしています。そのため、本を読むに至った背景についても、思い出しておくと良いでしょう。
30、最後に何か質問はありますか?(逆質問)
逆質問を求められたときは、志望度の高さをアピールできるチャンスですので、「特にありません」とは言わないようにしましょう。質問がない=会社への興味がない=志望度が低い、と判断されてしまいます。しかし、調べればわかるような質問をしてしまっても、逆効果になってしまいます。入社意欲をしっかりアピールできるよう、逆質問の準備をしておきましょう。
逆質問についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの解説記事を参考にしてみてください。
まとめ
今回は、 就職活動の面接で頻出する質問リスト30選と、それぞれのポイントについてご紹介しました。
就職活動において、企業の面接に対する重要度はとても高く、内定を得るためには絶対に対策をとっておく必要があります。
企業分析等を行って質問への回答をしっかり考えること、日頃から最新の情報収集を行うことを意識して、収集本番で堂々と答えられるようにしておきましょう。
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