【どこが違う?】ベンチャー・中小・大手のメリット・デメリットを把握しよう!

業界・企業研究

就活を進めていくなかで、志望企業を決める必要がありますが、ベンチャー企業・中小企業・大手企業などの違いを理解できているでしょうか?

ベンチャー企業・中小企業・大手企業と聞いても、「〇〇先輩が、ベンチャー企業に転職したらしい」や「〇〇君のお父さんは、大手企業に勤めているらしい」と耳にしたことがあるくらいの、ぼんやりしたの知識しかないのではないでしょうか。

企業の規模によって大きな違いがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。そこで今回は、ベンチャー企業・中小企業・大手企業それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。

もちろん会社によって違いはありますので、「自分が向いているのは、どのくらいの規模の企業なのか」を考える参考にしてみてください。

1.ベンチャー企業ってなに?

中小・大手企業については資本金の額や出資の総額、常時使用する従業員の数によって定義がされているのですが、ベンチャー企業にははっきりとした定義がありません。

しかし、一般的にベンチャー企業とは、中小や大手企業が取り組んでいない革新的なアイデアや独自の技術を用いて新しいサービスを展開し、成長過程にある企業のことを指します。

2.ベンチャー企業のメリット

仕事の進度が比較的早い

ベンチャーでは少数精鋭であることが多いため、組織の構造が複雑ではない場合が多いです。そのため、決定スピードが大手企業よりスピーディーです。自分の働きが企業を動かしている感覚を持ちたい、変化を好み新しいことに挑戦したいという野心のある人に向いているでしょう。

自分の意見が反映されることが多い

少数精鋭であるということは、一人一人が率先して行動できる力が必要とされます。そのため、自分の意見が採用される可能性が大手企業よりも高く、大手企業ではなかなか経験できない責任のある仕事を任されるでしょう。年齢に関係なく大きな裁量権を与えられて、ばりばり働きたい人、リーダーシップを発揮したい人にはオススメです。

社員・社長とのコミュニケーションが取りやすい

社員数が比較的少ないことから、一緒に仕事をする上司・同僚との人間関係が築きやすいと言えます。企画を進めていく際にも、少人数だからこそ情報を共有できます。また、社員だけでなく社長や経営陣との距離が近いため、直接意見を言いやすいでしょう。

そして、ベンチャー企業では、採用面接やインターンを行っている中で、上司となる人と会っている場合が多いため、入社時からコミュニケーションが取りやすいという面もあります。

3.ベンチャー企業のデメリット

知名度が低い

ベンチャー企業は、まだ知名度が低いことが多いです。誰もが知るような知名度の高い会社に就職したい人には、向いていないでしょう。

安定性がなく失業のリスクが高い

ベンチャー企業はまだ成果が出ていない場合が多く、経営が不安定であることから、社会的信用が薄いと言われます。実際にベンチャー企業の生存率は、創業から5年後で15.0%、10年後で6.3%。20年後になると0.3%というデータもあり、ベンチャー企業が生き残る厳しさがわかります。

ベンチャー企業は将来大きく成長する可能性を秘めていますが、一方で事業が継続できなくなり、失業・リストラのリスクも十分に考えられます。

福利厚生が整っていない

福利厚生とは、年金や保険制度、財形貯蓄制度、通勤費や住宅手当などのことです。ベンチャー企業は、中小企業に比べても福利厚生がまだ整っていない企業が多いようです。また大手企業にもなると、子育てに協力的であったり、保養所を持っていたりと、社員への利益の還元に力を入れていることが多いです。しかし、ベンチャー企業はまだ成長途中のため、福利厚生が十分でない可能性があるでしょう。

4.中小企業ってなに?

日本企業の99%以上が中小企業と言われるほど数が多いため、各企業の特徴もさまざまですが、中小企業であるかどうかには基準があります。資本金の額や出資の総額、常時使用する従業員の数がそれにあたりますので、以下にまとめました。

 

・製造業・建設業・運輸業

【資本金、出資の総額】3億以下【従業員】300人以下

・卸売業

【資本金、出資の総額】1億以下【従業員】100人以下

・小売業

【資本金、出資の総額】5千万円以下【従業員】50人以下

・サービス業

【資本金、出資の総額】5千万円以下【従業員】100人以下

 

(中小企業庁HP「中小企業者の定義」より引用

https://www.chusho.meti.go.jp/soshiki/teigi.html

5.中小企業のメリット

社員同士の距離が近い

中小企業と言っても従業員数は様々ですが、大手企業に比べると社員数が少ないため、より密な人間関係が築けると言えます。設立してからだいぶ時間が経っているので、成長も終わり安定期に入り、アットホームな雰囲気になりやすいです。また、自分とは異なる部署の社員ともコミュニケーションがとれたりと、会社全体を把握しやすいでしょう。

出世・昇給が速い

企画を進めていくときも少人数であるため、自分の意見が採用される可能性が大手企業よりも高いと言えます。そのため企業の売上に貢献するチャンスが多くあり、実績や貢献度によって役職が与えられ、出世・昇給が速くなりやすいでしょう。

転勤・異動が少ない

中小企業は、大企業のように営業所・支店の数が多くないため、転勤・異動が少ない傾向にあります。引越しを伴う異動ともなれば、自分だけでなく、家族の生活も含め、環境はガラリと変化することになります。環境変化がストレスになることもあり得ますので、転勤や異動の可能性が少ないことにメリットを感じる人にはオススメです。

6.中小企業のデメリット

人間関係が近すぎる

メリットでは、人間関係が築きやすい、転勤や異動が少ないことをあげましたが、一方でデメリットでもあるとも言えます。従業員数が少ないということは、例え部署が変わったとしても、実際に仕事をする環境が変わるということはほぼありません。相性が良くない上司や同僚がいる場合、ずっとその人と関わりを持って仕事をしなくてはならないかもしれません。しかし最近では、リモートワークを導入する企業も増えています。働き方が選べる企業であれば、それほど人間関係で煩わされずにすむかも知れません。

給与が少ない

給与の面で見ると、大手企業に比べて少ない傾向にあります。仕事内容や環境は自分に合っていても、給与が少ないというのはマイナスポイントであると考える人も少なくないでしょう。ただし、大企業の子会社やグループ会社であれば、親会社の福利厚生を引き継いでいる場合もあります。給与の良さも求めるのであれば、企業研究の際に昇給率などもチェックすると良いでしょう。

会社の将来性や安定性

倒産やリストラのリスクは、大手に比べて中小企業の方が高く、安定性・将来性への不安があります。今は終身雇用は終わったと言われており、大企業であってもリストラの可能性はもちろんあります。しかし、中小企業は大企業より資金力が弱いため、社会情勢や景気の変動によって一瞬で経営難になる可能性が高いです。

7.大手企業ってなに?

中小企業庁が出しているデータでは、2016年時点で、国内の「中小企業」が357.8万社であったのに対し、「大企業」の数は1万1157社となっています。「大企業」とは前述の中小企業以外のことを指します。こちらは「中小企業以外」という明確な基準・定義があります。

しかし、「大手企業」には、明確な基準・定義はありません。簡単に言うと「各業種のシェア上位を争う、ものスゴイ企業」のことを指します。日本の業種数は約100種類ありますので、各業界のトップ2・3社をピックアップしても約200〜300社ほどになります。大企業が1万1千社あるうちの、200〜300社というと、とても数少ないということがわかると思います。

また、大手企業となると、CMを流していたり、親や友人も知っている名前の企業であったり、新卒採用人数が多いなどの特徴もあります。

8.大手企業のメリット

福利厚生が整っている

企業によってバラつきはありますが、大手企業は福利厚生が整っているところが多いです。子育てに協力的で社内に託児所があったり、社宅の完備や家賃の補助があったり、公的試験取得や通信教育などの支援があったりと、社員の働きやすさを高めるために福利厚生が手厚いと言われています。

給与が比較的高い

年収・給与額が平均しては高い傾向があります。もちろん、職種や勤続年数、業務内容によっても給与は異なりますが、大企業は中小企業と比べて平均給与が高いと言われています。給与が高ければ、経済的余裕が生まれるため、プライベートの充実や仕事のモチベーションアップにも繋がることでしょう。また、大企業では退職金制度がある企業も多いため、退職後も心強いと言えるでしょう。

教育制度が充実している

大企業では、入社後に成長できるような、教育・研修制度が充実していると言われています。中小・ベンチャー企業と比べると、大企業は社員数も多く、教育に費用をかけられるため、新入社員をイチから教育した上で着実にスキルアップさせていくことができます。

社会人として基礎的な部分をしっかりと学んだ上で、着実にスキルアップできる教育制度が整っているのが、大企業のメリットと言えるでしょう。

9.大手企業のデメリット

業務範囲が狭く、意見が反映されづらい

大企業は数多くの社員スタッフを部署・役職ごとに細かく分けるので、業務範囲が狭くなり、幅広いスキルや視野が育ちにくいと言われます。

そのため、「会社全体の業務を把握するのが難しい」「希望する業務をすることができない」といったデメリットが挙げられます。

しかし、その分だけ専門性を高めることができます。他の仕事を気にすることなく、目の前の仕事に没頭する環境で仕事がしたい、エキスパートとしてスキルアップしたい方には向いているかもしれません。

経営陣との距離が遠い

大企業では社員が非常に多い分、ベンチャー企業や中小企業と比較すると、経営陣との距離が遠いことが多いです。現場と経営陣・上層部との間の壁が厚くて意見が届きにくい上に、一般社員からは経営陣がどんな仕事をしているのかが見えません。

個人の考え方や意見などを反映されるケースが少なくなり「企業を良くする提案をしたい!」と思っても、1人の社員の声では届かないというデメリットがあります。

転勤や異動の可能性が高い

大企業は中小企業と比べて、転勤や異動になる可能性が高いと言えるでしょう。大企業になるほど営業所・支店の数が多く、海外に支店をもつ企業も多いためです。

また、「ジョブローテーション」という、社員を多様な職種・部署へ転勤・異動させる制度を導入している大企業も多いため、昇進・昇給のステップとして転勤・異動の可能性が十分にあります。

10.まとめ


いかがでしたでしょうか?

今回ご紹介した内容は、必ずしもすべての企業に当てはまるという訳ではありません。

企業ごとにそれぞれ特徴があるため、「企業規模ごとに、このような傾向があるのだな」と参考程度に知っておきましょう。

そして、実際に希望する企業の特徴は、自分の手足を動かして情報を収集することが大切です。広い視野を持って企業を研究していきましょう。

就活情報をリサーチすることで早期内定のコツや選考通過のポイントを把握できる可能性が高まります。

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