就活の選考辞退の連絡は電話必須?メールでもいい?正しい伝え方を伝授します。
就活を進めていると、面接の当日になって体調を崩してしまったり、他社の選考日程との兼ね合いもあり、やむを得ず選考を辞退しなければならないこともあるでしょう。
早く企業に辞退の連絡をすればいいことは分かっていても、不安に思い、躊躇われる方もいます。
どう話したら良いのかわからない
担当者を怒らせてしまうのではないか
そこで今回は、電話で面接や内定などを辞退する際のマナーや、会話の仕方をご紹介します。
1.そもそも、辞退の連絡はすべき?
面接や選考を辞退したい場合は、必ずキャンセルの連絡を入れましょう。
企業の人事担当者は、就活生が自社以外の企業にも応募しており、ある程度の選考辞退があることも想定して選考をしています。もちろん選考辞退はしないで欲しいとは考えていますが、辞退を伝える際の対応に失礼がなければ問題はありません。
むしろ、「連絡をしづらい」という思いから連絡が遅れ、ギリギリで辞退される方が迷惑をかけることになります。ですから、辞退する意思が固まっているのであれば、早めにキャンセルの連絡をしましょう。
そして、一番最悪なパターンは、「連絡するのが面倒だから」「どのように連絡すればいいのかわからなかったから」といった理由で無断で辞退することです。これらの行為は企業に対して失礼であり、迷惑をかけることにもなりますので、絶対にやめましょう。
また、最近ではZOOMなどを使用したWeb面接採用も増加しています。自宅からでも面接を行うことが可能なため便利ですが、油断して面接日を忘れてしまい、土壇場でキャンセルしたり、すっぽかしをしないように十分気を付けましょう。ZOOMなどのWeb面接の場合でも、辞退する場合はメールや電話で必ずキャンセルの連絡を入れましょう。
2.辞退の連絡は、電話ですべき??
面接や選考を辞退する際には、必ず電話でキャンセルするべきなのでしょうか?
結論から言うと、電話連絡は必須ではなく、メールでも構いません。ただし、メールを送ったからといって、相手が読んだかどうかまではわかりません。心配な方は、メールを送った後に電話連絡をしておくと良いでしょう。
しかし、メールでの辞退は、あくまでも時間的な余裕がある場合にするのが基本です。
面接日の直前など、時間に余裕がない場合は必ず電話で連絡をしましょう。
なぜなら、担当者は面接準備のために忙しいため、頻繁にメールチェックができるとは限らないからです。前日や当日の辞退連絡になってしまう場合は、電話で伝えるのが配慮であり、相手にも誠意が伝わるでしょう。
また、最終面接や、内定を辞退する場合も、メールではなく電話の方がよいでしょう。なぜなら、役員などのスケジュール調整に関わる可能性があり、多くの人に迷惑をかけることになるからです。誠意をもって辞退を伝えるためには、電話で連絡して謝罪する方がよいでしょう。
3.基本的な電話マナーを押さえる
実際に辞退の連絡を電話でするときには、どんなことに注意したらよいのでしょうか。
電話をかける際に気を付けるべき、4つのポイントをご紹介します。
1,時間帯に気を付ける
繰り返しになりますが、辞退することを決めたら、なるべく早いタイミングで連絡をいれるようにしましょう。しかし、なるべく早めといっても、相手の都合にも配慮する必要があります。
電話をかける時間帯は、大前提として、営業時間内であるべきです。
営業時間は会社にもよるため、必ず企業の営業日や時間を確認してから電話をするようにしましょう。
また、相手側に迷惑をかけないように、忙しそうな時間は避けたほうが良いでしょう。一般的に、始業後すぐや、お昼休憩の前後、終業直前などは、慌ただしいことが想定されます。
比較的落ち着いた時間帯である、10時~11時頃、14~16時頃に連絡することをおすすめします。また、それ以外の時間帯でも、担当者が不在であることもあります。そういった場合は、対応してくれた方に伝言を残すようお願いしましょう。
2,周りの環境に気を付ける
辞退連絡の電話をかける際は、電話をする場所もきちんと配慮しましょう。
まず、建物外で電話をするのは止めておいた方が無難です。静かだと思っていても、急に車や人が通ったり、何かしらの音声が発生する可能性があります。移動中に片手間で電話をしているような印象を与えかねませんので、外部音が聞こえる可能性のある場所は避けましょう。
自宅や、コワーキングスペース、会社やホテルのロビーなど、静かな場所を選んで電話をかけるようにしましょう。
3,相手が切るまで切らない
電話はかけたほうが切る、というのが一般的ですが、目上の人に電話をかけた場合は、相手から電話を切ってもらうのがマナーとされています。
そのため、電話を切るタイミングになったら、「失礼します」と言って、担当者が電話を切るのをまちましょう。しかし、相手がなかなか電話を切らず、こちらから電話を切るのを待っているような場合は、こちらから静かに電話を切りましょう。
4,辞退理由は聞かれてからでよい
面接や内定を辞退する場合、相手に聞かれない限りは、こちらから具体的な理由を言う必要はありません。新卒の人事担当者にとっては、就活時期の辞退連絡はよくあることのため、詳しい理由までは聞かれないことも多いです。その場合は、「諸般の事情により」「一身上の都合により」といったような、あいまいな理由で問題ありません。
しかし、具体的な理由を教えて欲しいと言われることもあるでしょう。そんなときのために、理由を1つ考えておくと慌てなくてすむでしょう。その場合の理由は、「家庭の事情により就職が難しくなった」「自分との適性が合わないと気付いた」など、簡潔に相手が納得できるような理由にしましょう。
内定辞退の場合は「熟考の末、内定を頂いた〇〇社の方が自分に合っていると感じた」というように、できるだけ正直に答えるべきです。
どちらにせよ、辞退の理由を説明する場合は、失礼のないように丁寧に答えるようにしましょう。理由を聞かれたときに備えて、選考辞退の理由を書いたメモを用意しておくと安心でしょう。
そして、選考を辞退する理由は様々あるでしょうが、企業への批判と受け取られそうな理由は、できるだけ避けましょう。
4.辞退の伝え方…使える電話での会話例
では、実際電話するときはどのような会話をすればよいのでしょうか?
電話をする際に押さえておくべき流れは、以下の3つです。
1,大学名、名前、簡単な要件を述べ、担当者に繋いでもらう。
2,面接辞退の旨と期待に添えなかったお詫び、これまでの感謝などを述べる。
3,印象を最後まで崩さないよう、丁重に電話を切る。
では、この3点を踏まえた上で具体的な会話例を紹介します。
1,面接辞退の場合
(1)電話に誰かが出たら
お忙しいところ申し訳ありません。○○大学の○○と申します。新卒採用の面接の件でお電話いたしました。人事部の○○様はご在席でしょうか。
(2)担当者に変わったら
お忙しいなか恐れ入ります。私は、◯月◯日◯時より面接のお約束をしている○○大学○○学部の○○と申します。ただ今、少しお時間よろしいでしょうか?
(3)担当者から同意をもらったら
ありがとうございます。先日は、面接のご連絡をいただき、ありがとうございました。
大変恐れ入りますが、お約束していた面接を、一身上の都合により辞退させていただきたく、ご連絡しました。
(4)辞退の理由などを聞かれた場合
業務や職務の内容を詳しく伺うなかで、当初描いていたイメージとの違いが大きいことが分かりました。自分の能力を改めて考慮した結果、御社に貢献していくことが難しいと感じました。お忙しいなか、面接のお時間をいただいていたにもかかわらず、誠に申し訳ございません。
(5)辞退の理由などを聞かれなかった場合
お忙しいなか、面接のご連絡をいただいたにもかかわらず、大変申し訳ございません。
(6)電話を終了させる
お忙しいところありがとうございました。それでは失礼いたします。
2,内定辞退の場合
(1)電話に誰かが出たら
お忙しいところ申し訳ありません。○○大学の○○と申します。新卒採用の面接の件でお電話いたしました。恐れ入りますが、人事部の○○様はご在席でしょうか。
(2)担当者に変わったら
お忙しいなか恐れ入ります○○大学○○学部の○○と申します。先日いただいた内定通知の件でご連絡させていただいたのですが、少しお時間よろしいでしょうか?
(3)担当者から同意をもらったら
先日は内定の通知をいただき、心より感謝しております。せっかく内定をいただきながら、大変身勝手で申し訳ないのですが、本日は御社の内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。
(4)辞退の理由などを聞かれた場合
先日、◯◯業界の会社に内定をいただきまして、自分の適性やについてあらためて検討した結果、◯◯業界の道に進もうと考えているためです。本来なら、直接お詫びに伺うべきところを、電話でのご連絡となってしまい申し訳ありません。
(5)理由は聞かれず、辞退の了承をもらった場合
本来なら、直接お詫びに伺うべきところを、電話でのご連絡となってしまい申し訳ありません。
(6)電話を終了させる
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、このような形となってしまい、誠に申し訳ございませんでした。それでは、失礼いたします。
3,電話をかけた際に、採用担当者が不在や都合が悪かった場合
選考を辞退するときは、自分から電話をかけなおすのが基本のマナーですが、何度もかけ直すと相手に迷惑がかかります。
採用担当者が不在だった場合は、何時頃に戻る予定なのかを確認し、「それでは、その時間に、あらためてお電話いたします」と伝えておくと良いでしょう。
採用担当者の都合が悪かった場合は、「こちらからかけ直します」と相手から言ってもらえる場合もありますが、そうでなければ、何時頃なら電話しても大丈夫なのかを相手に確かめ、かけ直しましょう。
5.本当に辞退していいかをよく考える
ここまで辞退の連絡方法についてご紹介してきましたが、「本当に辞退して良いのか」をよく考えてからメールや電話をするようにしましょう。
面接や内定の辞退を決める理由は人それぞれですが、いったん辞退の意向を伝えると、基本的に再度選考を受けることはできません。安易に面接辞退の連絡をして、就活に後悔を残すことのないようにしましょう。
6.まとめ
今回は、電話で面接や内定などを辞退するときのマナーや会話例をご紹介しました。
電話で内定や面接を断るのは少し勇気のいることだと思いますが、今回の記事でご紹介したように、企業側も辞退者が出ることは想定内なので気負い過ぎなくて大丈夫です。むしろ、連絡をギリギリまで引き延ばしたり、無断辞退をすることだけは避けましょう。
電話での基本的なマナーや会話文をおさえ、貴重な時間を割いて選考を行ってくれた企業への感謝を忘れずに、最後まで丁寧に連絡をしましょう。