就職活動中は、面接や説明会の日程調整だったり、内定通知などで、企業やOB訪問先の相手から電話がかかってくることもあります。
その際、電話応対のマナーや、社会人として基本的なポイントを押さえられていないと、相手側に悪印象を与えてしまう恐れがあります。その一方で、きちんとした受け答えができていれば、社会人にふさわしいきちんとした印象を与えることができるかもしれません。
また、電話がかかってくるタイミングは読めませんので、いつでも適切に対応できるように、正しい電話の受け方を押さえておきたいものです。そこで今回は、電話応対の注意点や就職活動中にある電話対応の疑問にこたえていきます。
電話対応をマスターして、電話応対を通して好印象を与えましょう。
1.就職活動の電話の注意点
1,なるべく3コール以内に出る
電話がかかってきたときには、相手を待たせないように、なるべく3コール以内で出るようにしましょう。このマナーは、社会に出てからも必要になってくる電話応対の基本マナーです。
もし、タイミングが悪く出られず、3コール以上経ってから電話に出た場合は「お待たせして申し訳ございません」の一言を添えるようにしましょう。この一言があるかないかで、電話に出た時の印象が変わってきます。
しかし、電話を早くとることを意識するあまり、周囲が騒がしい場所で電話に出るのはよくありません。周りがうるさいとお互いの声が聞きとりづらくなるため、連絡ミスが起きる可能性が高くなります。その場合は、静かな場所に移動してから電話に出たほうが良いでしょう。
3コール以内に出るか、静かな場所に移ってから電話にでるかは、その場の状況によって判断しましょう。
2,明るく元気な声で電話に出る
電話は、声の出し方によって印象が大きく変わるので、明るい声で電話に出るようにしましょう。電話は相手の表情が見えず、表情や物腰などでの細かいニュアンスが伝わりません。そのため声の印象でしか相手の様子が判断できないため、小さい声で話したり、声のトーンが低かったりすると、暗い印象を与えてしまう可能性があることを理解しておきましょう。
電話で好印象を与える声を出すためには、いつもより少しだけ高めのトーンで明るく話すことを意識して、相手が聞き取りやすい音量でハッキリ話すことが大切です。
3,「もしもし」は使用しない
普段のクセで、電話をとる際に、「もしもし」といってしまう人は多いです。しかし、ビジネスにおける電話応対のマナーでは「もしもし」は、目上の人に対して失礼であるとされているためNGです。電話に出たときには、「はい、○○(名前)です」と自分の名前を名乗りましょう。自分の名前を伝えることで、間違いなく自分宛ての電話だと言うことが確認できます。
逆に、自分から電話を掛ける際は、一番最初に「お世話になっております」や「お忙しいところ失礼します」などの一言を添えるといいでしょう。「お世話になっております。◯◯大学◯年の◯◯と申します」と大学名も一緒に伝えると、相手も誰からかかってきた電話なのかがわかりやすいです。
4,相手が言った内容を復唱して確認する
相手から電話がかかってきて連絡事項を伝えられた際に、「はい」や「わかりました」などの相槌を打って終わりにしていないでしょうか。一通り連絡事項の内容を伺ったら、必ず内容を復唱して間違いがないか確認しましょう。
たとえば、面接官が「5月8日(はちにち)」と言ったのに、「5月7日(しちにち)」と勘違いして相槌を打ったまま電話を終えてしまうと、日程を間違えることになり企業にも迷惑をかけます。電話に慣れていないと緊張してしまって、聞き違えをしたというのはよく聞く話です。
自分が聞いた内容と齟齬がないか、また聞き漏らしていたことがないかなどを確認するため、念のため復唱するクセをつけておくことが大事です。
5,必ずメモを取る
話が終わった後は、内容をメモにして残しましょう。
せっかく復唱までして確認したのに、内容を忘れてしまったり、他の企業の連絡と混同して間違えてしまったりする可能性もあります。自分の記憶を過信せず、必ずメモを取るようにしましょう。
6,電話を切るのは自分が最後
一般的なビジネスの電話応対だと、かけた側が相手側が電話を切るまで待つというマナーがあります。しかし、就職活動のときには、企業側の人が電話を切るまでは、こちらから電話を切らないようにしましょう。
電話対応の最後に、「本日はお忙しい中ありがとうございました。それでは、失礼します」と礼の言葉を伝えると、相手も電話を切るタイミングが掴みやすいですし、好印象につながるでしょう。
2.電話対応は予期せぬことも?
企業からの電話にすぐ出られて、要件をしっかり確認出来たら一安心なのですが、スムーズにいかないこともよくあります。例えば、相手の声がよく聞こえなかったり、企業からの電話に気づかなかったり、折り返し電話をしたら担当者が不在だったりすることが想定できます。
そこで、就職活動中の電話対応でよくあるハプニング6つの対処方法をまとめてみました。
あらかじめ対処方法を理解しておき、電話がかかってきても慌てず、落ち着いて対応しましょう。
1,相手の声がよく聞こえなかったら?
企業からの電話に出たものの、相手側の声が聞き取りづらいというケースでの一番の注意点は、聞こえていないのに、分かったフリをして話を終わらせないということです。
電波状況が悪かったり、周囲の雑音が入ったりして、相手の声が聞き取りにくくなる事態は誰でも起こりうることです。「申し訳ございませんが、電波状況が不安定で聞こえませんでした。もう一度ご説明いただけますでしょうか?」というように、素直に伝えれば大丈夫です。
ただし「え?」「はい?」と聞き返したり、何度も聞き返すのは、印象がよくないのでやめましょう。どうしても聞き取れないようであれば、一度電話を切って、電波状況が良くて静かな場所に移動してから折り返し電話をかけるようにしましょう。
2,電話に出られなかったら?
就活中は、他社の選考や説明会などに参加していたり、アルバイト中であったりして、必ずしもすぐに電話に出られるわけではないことは、人事担当者も理解しています。
ですから、電話に出られなかったからといって、それが不採用の直接の原因になることはありません。企業が何度も電話をかけているのに出ない、折り返しの電話もしないとなると、不採用になる可能性もありますが、折り返しの電話をすればそのような心配はありません。
企業から不在着信に気づいたら、できるだけすぐ折り返しをするのがマナーです。遅くとも、24時間以内に折り返し電話をするようにしましょう。
ただし、折り返しの電話をかける前に、留守電にメッセージが入れられていないか確認しておきましょう。企業によっては、留守電で今後の指示をしている場合もあり、連絡の内容によっては折り返し不要とメッセージが入っている場合もありますので、必ず留守電を確認してから電話するかどうかを決めましょう。
なお、折り返し不要とメッセージが入っていた場合は、折り返す必要はありません。
留守電に、企業からかけ直すとメッセージが入っていた場合は、学生側から折り返し電話をして問題ないでしょう。
3,電話を折り返すのが遅くなったら?
企業からの電話に出られないこと自体が悪いことではありませんが、不在着信に気づかず、折り返すのが遅くなってしまうこともあるでしょう。
たとえ、その企業に行かないことが決まっていたとしても、いつかどこかでお世話になる可能性は0ではありません。きちんと電話を折り返しましょう。
折り返しの電話をする際は、「先日、お電話いただきました、○○大学○○学部の○○と申します。連絡が遅くなりまして、大変申し訳ありません。」と一言添えましょう。
4,担当者が不在だったら?
企業からの不在着信があったため、折り返しをしたら担当者が不在だったということはよくあります。そんな時は、電話対応をしてくれた方が、「担当者が戻り次第、かけ直させます」と言ってくれたり、別の採用担当者に代わってもらえることが多いでしょう。
ただ、「○時頃戻る予定です」などと言われた場合は、「それでは、改めて○時頃にご連絡させていただきます」と言うようにしましょう。
そして、その時間になったら、必ず自分からかけ直すようにしましょう。
5,担当者の名前がわからなかったら?
折り返しの電話をしたいけれど、担当者の名前が分からない場合は、名前の代わりに「○○の件について、どなたか分かる方はいらっしゃいますか?」「ご担当者様はお手すきでしょうか?」と尋ねることで、電話対応してくれた方に取り次いでもらいやすくなります。
もしくは、「自分の氏名」「具体的な要件」「担当者への伝えたい内容」の三つをしっかり伝えれば大丈夫です。名前が分からない分、要件は具体的に伝えるようにしましょう。
6,折り返しの電話がなかったら?
企業側の都合で、「担当者から折り返します」と言われたのに、約束の日から1日〜2日経っても電話がかかってこない時は、改めてこちらから掛けてみましょう。
担当者につながった場合は、「先日はお忙しいところご対応いただきましてありがとうございました。以前お電話でお話していた○○の件ですが、その後の経過をお知らせいただきたくご連絡致しました」と切り出しましょう。
また担当者が不在だった場合は、電話対応をしてくれた方に「実は、○日に折り返しご連絡をいただけるとのことでしたが、まだご連絡をいただいていないようでしたので、こちらからご連絡させていただきました。お手数ですが、私から電話があった旨を○○様にお伝えいただだけますでしょうか?」と丁寧に伝えましょう。
3.それでも電話対応が不安な時は?
これまで、就職活動の電話対応でおきそうなハプニング6つとその対処方法をお伝えしました。しかし、実際に電話した時に、自分の言葉でしっかり相手に伝えられるか不安になる人もいるでしょう。
そんな時は、企業と電話で会話をしているシチュエーションを想定して練習をしましょう。iPhoneや多くのAndroidスマートフォンには、音声録音アプリが始めからインストールされていますので、自分が電話で話す声を録音してみると良いでしょう。
声の大きさやトーンは明るく聞こえるか、自分の声の速さは聞き取りやすいか、「えー」や「えっと」などの、余計なつなぎ言葉は多くないか、聞き取りにくい単語はないか、などをチェックしてみましょう。
改善点が見つかったのであれば、その点を練習してみましょう。そうすれば、自信をもって電話にでることができますし、電話での感じの良い話し方を身に着けられれば、社会に出てからも役立つことでしょう。
4.まとめ
今回は就活中の電話対応の基本的なマナーやポイントと、よくある6つのハプニング対処法を紹介しました。
就活中では、企業の方やOBの方と電話で連絡する機会も多いと思いますが、しっかりと受け答えできれば、社会人としてふさわしい印象を持ってもらえるかもしれません。
イレギュラーな事態にも慌てず、落ち着いて電話ができるようにしましょう。