就活生ならば、一度は「インターンシップ」という単語を耳にしたことがあるのではないでしょうか?
しかし、インターンシップがあることは知っていても「インターンシップって、参加する意味はあるの?」「どのくらいの期間がかかって、どんなことをするの?」「選考に有利になるって聞いたけど本当?」と疑問に思っている人も多いのではないでしょうか。
1.インターンシップとはなにか?
まずはインターンシップとは何かについて、理解をしましょう。
文部科学省による「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(平成27年12月10日一部改正)」では、インターンシップとは『学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと』とされています。
また『学生を送り出す大学等、これを体験する学生、学生を受け入れる企業等それぞれにとって様々な意義を有するものであり、それぞれの側において積極的に対応していくことが望まれる』ともされています。
このように文科省から推進されていることから、企業の参加率も増加傾向にあり、近年では多種多様なインターンシップが開催されています。
2.インターンシップに参加する意味はなに?
それでは、就活中にインターンシップに参加する意味とは何でしょうか?
ここでは3つの意味を紹介します。
①業界研究・企業研究を深められる
すぐに行える情報収集の方法は、3つです。
・OB訪問や説明会に参加すること
・インターンシップ参加すること
インターンシップへの参加を加えることで、実際に自分が企業で働いてみないとわからない貴重な情報を得ることができます。
たとえ、まだ自分の興味のある分野や企業が決まっていない場合でも、インターンシップに参加することで
「その企業の特徴や他社との違いは何か?」
「働いている人たちの雰囲気はどうか?」
さまざまな情報を知ることができ、自己理解を深め、就活を始める第一歩にすることができます。
②仕事のイメージがつきやすい
興味のある業種が決まっている場合でも、職種によって仕事内容は大きく異なります。インターンシップを通して職業体験をすることで、あなた自身の向き不向きを知ることが出来ます。実際に体験しなければ分かりにくい職種の例としては、デザイナー職やマーケティング職があげられるでしょう。
一方で、イメージがしやすい職種の例としては、事務や経理などがあげられます。しかし、「知っている」のと「出来る」のは違いますので、体験をしてみる意義は大きいでしょう。またインターンシップを通して、自分が大学で勉強した内容と、社会での実地の体験を結びつけることもできます。
③就職活動の助けになる
インターンシップで得た経験は、就活をする上であなたの大きな強みにもなります。
インターンシップなかには、学生であっても社会人として扱われることも多いため、インターンシップを経験することで自ずとビジネスマナーが身に付けられます。
体験に基づいた具体的な内容となるため、他の就活生との差別化をはかる方法になると言えるでしょう。
4.インターンシップの種類
ここまで、インターンシップに参加する意味を解説してきましたが、インターンシップには様々な種類があります。
そこで今回は、1dayインターンシップ、短期インターンシップ、長期インターンシップ、海外インターンシップの4種類を解説していきたいと思います。
それぞれの特徴を理解していきましょう。
1、1dayインターンシップ
1dayインターンシップの多くは短い時間の中で行われるため、実務を体験することはほとんどありません。企業の説明やグループディスカッション、社長や社員との座談会が行われたりと、説明会をより深く掘り下げた内容が多いです。職業体験というよりは、企業の内部を見ることで社内の雰囲気を肌で感じたり、実際に働いている方の話を聞いたりして、大まかな職場のイメージを掴める場として捉えると良いでしょう。
1dayインターンシップのメリットは開催日が多く、拘束時間も短いことがあげられます。そのため数多くの企業に足を運ぶことできるため、様々な業界・職種を知りたい場合にも役立ちます。また、面接などの特別な選考等もないことも多いため、学校の授業やアルバイトで忙しくても、合間に参加することができます。
2、短期インターンシップ
短期インターンシップは学校が長期休みに入る期間に開催される場合が多く、夏休みの場合はサマーインターンシップ、冬休みの場合はウィンターインターンシップと呼ばれ、多くの学生が参加しています。
短期インターンシップで行われる内容としては、その企業が扱うプロジェクトや直面する課題にグループワークで取り組み、最後にプレゼンテーションを行うといった流れのカリキュラムを設定していることが多いようです。
比較的有名な企業が開催する場合も多く、短期インターンシップが早考選考につながったり、就職試験の一部が免除になったりするケースもあります。企業側は、グループワークでの働きや内容によって学生のコミュニケーション力や問題解決能力、社風にあっているのか、さまざまな個人の能力を評価していると言われています。そのため、参加に際しては書類選考や面接等が設けられることが多いですが、就職したい企業が決まっている場合は、インターンシップに参加しておくとチャンスが広がるでしょう。
3、長期インターンシップ
さまざまな職種(営業、マーケティング、ライターなど)で実施しているケースが多く、参加した学生は社員と同等の業務に携わりながら、実務経験を積めることができます。そのため、長期インターンシップが終わる頃には即戦力として役立つ能力を得ることが期待できます。
また、長期であることから時間にゆとりがあるため、しっかりと企業の体制や特質を知り、自分に合った仕事かどうかを見極めることができるのが、1dayや短期のインターンシップとは大きく異なる点です。
短期インターンシップと比べてベンチャー企業での開催が多いことから、採用直結型や、成果によっては就職活動で有利になるものが多いようです。そのためインターンシップの選考は本選考と同様、慎重に行われています。学生側にインターンシップに参加する意欲があっても、採用されない場合もあることを頭に置いておきましょう。
また、長期インターンシップの場合は、時給や日給などの形態は異なりますが、給与が支払われるケースが多いようです。しかし、必ずすべてのインターンシップで給料や交通費が支払われるわけではないため、事前に募集要項をよく確認しましょう。
4、海外インターンシップ
海外インターンシップ先の国や会社の規模、職種業種は様々ですが、アメリカとカナダの北米圏、ベトナム、タイといったアジア諸国などを中心に、世界中に活躍の場があります。また、学生だけに限らず社会人も参加できるのが特徴です。
「将来は外資系企業で働きたい」「語学力を活かして仕事がしたい」と考える学生は、海外インターンシップを視野に入れてみるといいかもしれません。語学力を向上させるだけなら語学留学をするという方法もありますが、海外インターンシップでは実際のビジネスで使われる英語やコミュニケーションを体験し、必要な知識やスキルを身に付けることができます。
しかし就活の際、海外インターンシップをしたことだけでは企業から評価はされません。そこで何を身につけてきたのかを、自分の言葉でキチンと説明できるかが大事です。
4.インターンシップは内定につながる?
では、インターンシップは内定につながるのでしょうか?
インターンシップに参加した会社は内定に繋がりやすいともいわれていますが、多くの学生が参加する中で優秀な成績をおさめなければならないため、すべてのインターンシップが内定につながるわけではありません。
しかし、結果的にインターンシップは就職活動において有利になります。
たとえ参加した期間が短かったとしても、参加してみなければ分からなかった業界や職種をより深く理解したり、組織の中の様子を見聞きすることができます。また、ずば抜けていい成績が残せなくても、人事の担当者に人柄や雰囲気など何かしら好印象を残せるかもしれません。また、人事の担当者がどのような人物像を求めているのかを知ることもできます。
このように、インターンシップはスキルや経験を得ることはもちろん、周囲の高い評価を得やすいため、学業に障りのない範囲で意欲的に参加するのがおすすめです。
5.まとめ
今回は、インターンシップの意味や、目的、期間による特徴について説明しました。このように、インターンシップに参加することには様々なメリットがあります。
自分の将来設計や、学業の状況など目的に合わせて上手にインターンシップを活用し、就職活動に活かしていきましょう。