就活の面接や、企業にメールを送る際、自分の敬語の使い方が正しいのか不安を感じたことはありませんか?
- 「これまで、敬語なんて意識してこなかった」
- 「バイト先や先生、先輩に敬語は使っていたけど、正しい言葉遣いかどうかは分からない」
という方も多いのではないでしょうか?
仮に敬語の使い方に自信があったとしても、これから志望企業との面接を進めていく上で、敬語の誤りでチャンスを逃すことのないように再確認しておいて損はないはずです。
そこで今回は、就活生が間違えやすいビジネス敬語についてご紹介します。
敬語を使いこなせれば相手に良い印象を与えることができます。企業説明会や選考などの場で、正しい言葉遣いや、敬語の使い方ができるようにしましょう。
1.就活中の敬語の重要性とは?
就活中は、会社説明会や面接、メールなど、さまざまな場面で敬語を使ってやり取りをする場面があります。その際、正しい敬語が使えることはとても重要になってきます。
なぜならば、ビジネスの世界では、敬語を使ったやり取りが基本だからです。
そのため、社会人は就活生が間違った敬語を使うとすぐに気が付き「この学生は、敬語を使えないんだな」と判断され、悪い評価に繋がります。敬語はビジネスの世界に入ったら、すぐに必要なスキルになるため、「入社してから、ゆっくり覚えます」という考えでは遅すぎるのです。
会社側は、就活生が正しい敬語を使えることを前提に見ていることを知っておく必要があります。
2.正しい敬語の使い方
それでは、実際に就活中はどんな敬語を使うことが多いのでしょうか?
また、就活生は間違いやすいポイントはあるのでしょうか?
今回は敬語の使い方におけるポイントを、基本的な3つに絞って解説します。
自分が習得できているかをきちんと把握し、これからの就活をスムーズに進めていきましょう。
1、基本的な敬語(謙譲語と尊敬語)を例文つきで復習しよう!
まず正しい敬語として押さえておきたいポイントが、謙譲語と尊敬語の違いです。
中学生の頃に教わる敬語のルールですが、普段から使い慣れていないと忘れがちです。面接で失礼な発言をしないように、しっかり復習しておきましょう。
面接でよく使う謙譲語とは?
謙譲語とは、上司など目上の方に対して使う敬語です。
「自分が一歩下がることで、相手を上の立場にして敬う」イメージです。
分かりやすいように階段で例えると、敬いたい相手をそのままの位置に起き、自分が一歩階段を降りることで、見上げるイメージです。つまり、謙譲語の主語は「自分」もしくは「自分側の人間」になります。
□言う
□聞く□行く□見る就活中では、特に「言う」を使うことが多いのではないでしょうか?
謙譲語に正しく直すと以下の通りです。
謙譲語に正しく直すと以下の通りです。
〇言う → 申す、申し上げる
〇聞く → 伺う、承る
〇行く → 参る、伺う
〇見る → 拝見する、見せていただく
間違っても「御社の鈴木様に言ったところ」などと言わないようにしましょう。
この言い方だと、就活生である「あなた」と企業の「鈴木様」が同じ目線に立っていることになり、失礼にあたります。
正しくは、「先日、御社の山田様に申し上げたところ」です。
目上の人に対して、自分を下げて使うのが謙譲語だということを理解しましょう。
面接でよく使う尊敬語とは?
次に尊敬語ですが、目上の方に使う敬語という意味では、謙譲語とは違いありません。
しかし、謙譲語が自分を下げる敬語なのに対し、尊敬語は「相手を自分より上の立場にあげることで、相手を敬う」イメージです。
尊敬語も階段で例えてみると、敬いたい相手に一歩階段を登ってもらい、自分はそのままの位置にいることで、相手を見上げるイメージです。つまり、謙譲語の主語は「相手」もしくは「相手側の人間」になります。
・言う → おっしゃる・聞く → お聞きになる・行く → いらっしゃる
・見る → ご覧になる
こちらも「先ほど担当の〇〇様が言っていた通りに」などとは言わず、「先ほど担当の方がおっしゃられた通りに」と言うようにしましょう。
敬語を間違えそうになったら…
就活中、目上の方に敬語を使う場面で、尊敬語と謙譲語のどちらを使うのが正しいのか瞬時に判断できない場合は、その言葉の主語が誰なのかを考えてみてください。
たとえば、「ご覧いただければ幸いです」は、相手がする行動ですので、尊敬語。
そして「拝受します」だと、相手ではなく自分がする行動なので、謙譲語になります。
「ここにおります」も、自分がする行動なので、謙譲語。
そして「そこに、いらっしゃいます」は、相手の行動なので、尊敬語になります。
このポイントを押さえていれば、尊敬語と謙譲語を間違えて使わずに済む可能性が高くなりますので覚えておきましょう。
2、就活生が間違えやすい不自然な敬語を例文付きで解説!
敬語の基本である、謙譲語と尊敬語を復習できたら、次は不自然な敬語を避けることを意識してみましょう。
特にアルバイトや大学の講師に対する発言は、正しい敬語を求められない傾向があります。そのため、まわりが使っている不自然な敬語を覚えて使ってしまっているケースが見受けられます。
不自然な敬語を作ってしまう要因を覚えておきましょう。
二重敬語は不自然の象徴
不自然な敬語の代表と言えるのが、二重敬語と呼ばれる、敬語に敬語を重ねた言葉遣いです。
「お伺いさせていただきます」
これは一例ではありますが、上記の敬語に違和感を感じましたか?なんとなく、問題ないように感じた方もいるかもしれませんね。
しかし、この例文では、同じ文の中に、「お伺いする」と「させていただく」という敬語が2つ使われています。二重敬語は、正しい敬語とは言えません。
正しくは「お伺いします」です。
これ以外にも、「いただきます」をつけると二重敬語になるものは、「参る」があります。
「参らせていただく」ではなく、「参ります」が正しい敬語になります。
このように、不自然に敬語を重ねて使わないように注意しましょう。
バイト敬語はビジネスでは通用しない
アルバイトを経験していると、先輩や上司、顧客に敬語を使う必要があるため、敬語が使えていると思う人も多いのではないでしょうか?しかし、アルバイトで使用している敬語の中には「バイト敬語」と呼ばれる、独特の言葉遣いになっているものもあります。
・こちらが、〇〇になります → こちらが〇〇です。
・〇〇のほうでよろしいですか? →〇〇でよろしいですか?
・〇〇はどれにいたしますか? →〇〇はどちらになさいますか?
上記はアルバイト敬語の代表と言えますが、職場によって様々なアルバイト敬語があることでしょう。アルバイト敬語は何度も口にするため、意識しないと就活中にも口にしやすいです。常日頃から、正しい敬語を意識しておきましょう。
そもそも敬語じゃないケースも?
敬語を使っているつもりなのにも関わらず、実は敬語になっていない言葉があることをご存知ですか?
よく使われているのが「了解しました」です。
こちらは「かしこまりました」「承知しました」が正しい敬語になります。
「了解しました」は「了解」という熟語だけで使えてしまうことから、対等の相手、または目下の人に使用します。
そのため、目上の人や企業の人に対して使わないことをに覚えておいてください。
3、社会人としても重要なビジネス敬語を身に付けよう!
仕事をする上で大切なのは、相手に対する思いやりです。
自分本位な気持ちでいると、態度や言葉にも現れ、会社はもちろん取引先からの信頼も得づらいでしょう。
その点を社会人をスタートさせる前から理解して、敬語にも活用してください。
具体的にビジネス敬語として、相手を思いやる言葉を3つご紹介します。
クッション言葉は的確に
ビジネス敬語の中には、クッション言葉と呼ばれる敬語があります。
クッション言葉とは言葉の前に添える言葉で、直接的な表現を避けて、丁寧に柔らかく伝えるために使われる言葉です。
主に「依頼する時」「断る時」「ものを尋ねる時」に使われ、相手に対してへりくだった印象を与えます。
「恐れ入りますが」や「せっかくですが」「お手数をおかけしますが」などが多く使われるのではないでしょうか?
これらのクッション言葉は、社会人は必ず使う言葉であり、就活の場でも必ず使う場面があるでしょう。企業の人事担当者は必ず見ていますので、特にメールでのやり取りをする際には積極的に活用してください。
面接で使える婉曲話法を知っておこう!
相手との会話を円滑に進めるために使いたいのが、婉曲話法と呼ばれる方法です。使いこなすことができれば、どんな場面でも好印象を残すことができるでしょう。婉曲話法とは、直接的な言葉ではなく、あえて遠回しに柔らかく伝える話法です。
一例ではありますが、面接時にお茶かお水のどちらかをいただけるとします。
その際、「お茶とお水の、どちらが良いですか?」と聞かれた際に「お茶は嫌いなので、お水をお願いします」と答えるのと、「お茶があまり得意ではないので、お水をお願いします」と答えるのでは、どちらのほうが好印象でしょうか?
恐らく、後者のほうが好印象を抱く方が多いでしょう。
もちろん「お水でお願いします」と、ストレートに返すのも失礼ではありませんが、あえて遠回しな言い方をすることにより、相手からの印象が良くなることがあるのを覚えておきましょう。
役職には「様」を付ける?
メールや応募書類を送付する際に、担当者の名前が分からないため、役職宛に送るケースもあります。その際、「課長」や「部長」に様を付けるべきかどうか、悩んだことはありませんか?
相手のことを敬うのであれば、「様」を付けるのが正解のように感じるかもしれませんが、正しくは付ける必要はありません。
役職はその役職名の中に相手を尊重する意味が含まれていますので、二重敬語と同じく、二つも重ねる必要はありません。書類やメールを送付する際には気を付けるようにしましょう。
まとめ
今回は、就活生が間違えやすいビジネス敬語や、知っておきたい表現をご紹介しました。
基本的に、人は普段使い慣れている言葉が口に出てくるものなので、日常的に敬語を使っていないと中々身につきません。
仕事をしていれば敬語も身につくともいえますが、入社後に先輩や上司に迷惑をかけないためにも、失礼のない言葉遣いを身に付ける努力はしておきましょう。
きっとその姿勢は、選考の際に評価され、志望している企業からも良いお返事がもらえるアドバンテージになると思いますよ。